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電流の絶対測定とSIの基本単位のことなど
Absolute measurement of electric current and SI base units

電流の単位1アンペアを取り上げたのは国立科学博物館が1936年に旧電気試験所で守谷定吉が造ったレイリー型電流天びんによって電流の絶対測定が行われことを発表していることに注目してのこと。このレイリー型電流天びんによる電流の絶対測定は、コイルの間に働く力の大きさから電流の大きさを決める装置で1936年ににおける電流値の測定精度の限界は10万分の1であった。

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計量計測のエッセー

電流の絶対測定とSIの基本単位のことなど

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レイリー型電流天びんによる電流の絶対測定は、コイルの間に働く力の大きさから電流の大きさを決める装置で1936年ににおける電流値の測定精度の限界は10万分の1であった。


写真は産総研が開発した絶対重力計

(タイトル)


電流の絶対測定とSIの基本単位のことなど

(本文)

 質量の単位キログラム(kg)は物質量のモル(mol)を元にして定義され、電流は2019年の国際単位系(SI)改定以降、1アンペアは電気素量(e)に基づいて定義されている。物質量のモル(mol)は基本単位であり、電気素量(e)は基本単位ではない。電気素量(e)は電気素量は、自然界に存在する電気が持つ最小の基本単位量であり、電子1個または陽子1個が持つ電荷の絶対値。以上のようなことでSIの基本単位は他の単位に独立して絶対的位置にあると思いがちであるが、そうではない。電流の単位1アンペアは量子効果(ジョセフソン効果や量子ホール効果)を用いた電圧の絶対測定によって導かれるのが現代の潮流である。どのようにしてSIの基本単位が導かれるかは別にして、基本単位の精密さが引き上げられることで、計測の体系全体の精密さが向上する。

 ここで電流の単位1アンペアを取り上げたのは国立科学博物館が1936年に旧電気試験所で守谷定吉が造ったレイリー型電流天びんによって電流の絶対測定が行われことを発表していることに注目してのこと。このレイリー型電流天びんによる電流の絶対測定は、コイルの間に働く力の大きさから電流の大きさを決める装置で1936年ににおける電流値の測定精度の限界は10万分の1であった。この装置は1981年に産業技術総合研究所から国立科学博物館に移管されていた。国立科学博物館は測定原理を電流天びん(コイル間の電磁力)としている。このように1936年に旧電気試験所が電流の絶対測定をした。

 二つの固定コイルの間に可動コイルを配置し、それらの間に働く電磁力(磁気的な力)を天びんで精密に計測することで、電流の値を物理的な定義に基づいて決定した。これがこの測定の歴史的意義。固定された二つの大きなコイルの間に、天びんの腕に吊るされた可動コイルを配置。これらに電流を流すと、コイル間に電磁気的な吸引力または反発力が発生。この力によって天びんが傾こうとするのを、反対側の皿に乗せた精密な分銅によって相殺し、平衡状態にする。コイルの寸法や配置などの幾何学的条件と、分銅の質量、重力加速度から、流れている電流の値を算出した。

 レイリー型電流天びんの原理は電磁力並行型や音叉式力センサを用いた電子天びんとして応用されて、精密測定に利用されている。現代の電磁力平衡方式の天びんは測定対象とそれに均衡する電磁力を発生させて釣り合いを取って質量を測定する。釣り合わせるということでゼロ位法の優位性を持つ。釣り合わせるときの電流量から質量を求める。レイリー型電流天秤にゼロ位法の電子天びんの原理を見ることができる。

 電流と質量ということでは、先に変更された質量の単位であるキログラムの定義の決定に際して、シリコン球を元にしての物質量のモルを基にする方式と、電流を基にする方式が比較検討された。結果は物質量のモルによって質量が定義された。このことが固定しているのではなく状況によっては質量が電流によって定義されるかもしれない。精密さを少し脇に置くと、手軽さと確実さということでは電流による質量の定義が勝る。技術の原理というものは時代が進んでも重要度が経ることはなく、巡り巡って元に戻ることが少なくない。

 絶対測定の解説

 絶対測定とは、(1)ある組立量をそれに関連する全ての基本量の測定によって決定する測定方法。(2)ある量をその量の単位の定義に従って現示させ,測定する測定方法。

 比較測定とは(1)ある基準値や標準物質と比較して測定対象の特性や性質を測定すること(定義)。(2)ブロックゲージなどの基準片と測定対象を同時にダイヤルゲージで測定して、その差から長さを求める場合など(事例)。(JIS Z 8103:2019 計測用語 基本用語による規定)。一般社団法人日本機械学会は絶対測定を次のように説明する。絶対測定とは、定義によって決められた量を実現させ、それを用いて行う測定。または組立量の測定を基本量だけの測定から導くこと。前者の例にはブロックゲージによる長さの測定。後者の例にはピクノメータ(比重瓶。液体や固体の密度・比重を高精度に測定するためのガラス製実験器具)による液体密度の測定がある。

 絶対測定(Absolute Measurement)とは、他の基準と比較することなく、定義に基づいた基本単位(長さ、時間、質量など)だけを用いて直接的に値を決定する測定方法のこと。1、絶対測定の主な特徴独立性。他の地点や標準物質の値に頼らず、その場にある物理量から独立して値を導き出す。2、定義に基づく。基本単位(SI単位系など)の定義そのものを実現して測定する。3、高精度・高難度。 極めて高い精度が得られるが、時間や長さなどの基本量をその都度精密に決める必要があるため、技術的に高度で手間がかかる。

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